ハイパワーフェンス工法

ハイパワーフェンス工法とは?

ハイパワーフェンス工法は、高エネルギー吸収型の落石防護柵として、優れた変形性能と耐力を備えたモルタル充填鋼管柱と緩衝金具及び分散維持装置等のシステムにより大規模落石エネルギー・積雪荷重・崩壊土砂まで対応できる工法です。

ハイパワーフェンス工法の特徴

  1. 落石の規模により、支柱の種類選定及び連結することが出来、経済的な設計・施工計画が可能です。
  2. ワイヤロープに緩衝金具を取り付けることにより、落石エネルギーの吸収量を飛躍的に増大できます。
  3. 支柱の剛性が高く、積雪荷重対応型の落石防護柵や、雪崩予防柵としての用途に対応したタイプ及び崩壊土砂対応型のタイプもあります。
  4. 斜面上に直接、大口径ボーリング工法等で削孔した後に支柱を建て込むことが出来、比較的軟弱な地盤でも設置が可能であり、建設発生土を極力低減できます。
  5. 景観に合った色彩の塗装が可能です。

落石エネルギーとハイパワーフェンス工法の使用区分

工法名 HRF工法 PCF工法 HSF工法 RCF工法 HEF工法
NETIS登録番号 HR-010009-V HR-010009-V HR-010010-A HR-010009-V
+緩衝材
HR-010009-V
擁壁上設置 効果的 効果的 効果的 効果的 対応可
斜面上設置 効果的 効果的 効果的 効果的 効果的
落石に対して 特に効果的 効果的 効果的 特に効果的 効果的
可能吸収エネルギー(kJ) 1000kJ程度 250kJ程度 250kJ程度 5000kJ程度 750kJ程度
積雪荷重に対して 効果的 対応可 特に効果的 対応可 効果的
崩壊土砂に対して 対応可 対応可 対応可 対応可 特に効果的
主要用途 250kJ〜1000kJ程度までの落石に適する。 50kJ〜250kJまでの落石に適する。 積雪地域における250kJまでの落石及び、雪崩予防柵の用途に適する。 5000kJまでの落石に適する。ただし、背面ポケット量の確保が必要。 崩壊土砂対策工の用途に適する。

HRF工法(ハイパワーロックフェンス)

1000kJレベルの落石に対応可能な『高エネルギー吸収型落石防護柵』

HRF工法の主要部材は、高い剛性と優れた変形性能を兼ね備えた支柱、エネルギー収吸機構の要である緩衝金具、落石エネルギーを柵全体に分散させる分散維持装置、その他ワイヤロープ、金網等から構成されています。また、支柱と緩衝金具は複数のタイプから選定することが出来るため、設計条件に合った経済的な計画が可能となります。

NETIS番号 HR-010009-VE
擁壁上設置
斜面上設置
落石対応 1000kJ程度
積雪対応
崩壊土砂対応
主要用途 落石防護

構造

ハイパワーロックフェンス

PCF工法(パワーキャッチフェンス)

250kJレベルの落石に対応した、『低コスト追求の高機能フェンス』

PCF工法はHRF工法の小規格タイプであり、優れた変形性能を有する支柱、エネルギー吸収機構の要であるST装置(緩衝金具)、落石衝突時にワイヤロープ間隔を保つ間隔材、その他ワイヤロープ、金網等から構成されています。HRF工法と同様に、支柱とST装置は複数のタイプから選定することが出来ます。

NETIS番号 HR-010009-VE
擁壁上設置
斜面上設置
落石対応 250kJ程度
積雪対応
崩壊土砂対応
主要用途 落石防護

構造

パワーキャッチフェンス

HSF工法(ハイパワースノーフェンス)

750kJレベルの落石に対応可能な、『雪崩予防・せり出し防止』への対策工

HSF工法の主要部材は、積雪荷重を考慮して開発された高い剛性を有する支柱、積雪の沈降力に耐えるサポート(上弦材)、積雪地用ワイヤロープ間隔保持材のツリーロープ、その他ワイヤロープ、金網等から構成されています。さらに、ワイヤロープ端部に緩衝金具(ST金具)を取リ付けることで、750kJレベルの落石エネルギーに対応出来ます。また、支柱は設計条件に合わせ、複数のタイプから選定出来ます。

NETIS番号 HR-010010-VE
擁壁上設置
斜面上設置
落石対応 750kJ程度
積雪対応
崩壊土砂対応
主要用途 雪崩予防

現地や用途に合わせ、3つのタイプから選定出来ます。

タイプ Sタイプ Mタイプ Lタイプ
支柱径 216.3φ 267.4φ 318.5φ
対応積雪深(Hs) 2.0m程度 5.0m程度 5.0m程度
柵高(H) 2.0〜5.0m 2.0〜5.0m 2.0〜5.0m
支柱間隔 2.5〜8.0m 2.5〜8.0m 2.5〜8.0m

構造

ハイパワースノーフェンス

用途別タイプ

雪崩予防やせり出し防止柵

雪崩予防やせり出し防止を目的として適用する形式です。設計積雪深5.0m程度以下で、勾配50°程度以下の斜面に適用します。

雪崩予防やせり出し防止柵

堆雪柵

小規模な崩落雪を柵背後に堆雪させることを目的として適用する形式です。堆雪容量が崩落雪量を確保可能で、勾配50°程度を超える斜面に適用します。

堆雪柵

RCF工法(リバウンドキャッチフェンス)

HRF工法と『緩衝材のダブル機構』で、5000kJクラスの落石に対応

RCF工法は、高エネルギー吸収型落石防護柵であるHRF工法またはPCF工法と、その柵背面に設けられた緩衝材(サンドクッション・発泡スチロール等)を組み合わせることで、5000kJレベルの落石エネルギーに対応することが出来ます。

NETIS番号 HR-010009-VE+緩衝材
擁壁上設置
斜面上設置
落石対応 5000kJ程度
積雪対応
崩壊土砂対応
主要用途 落石防護

構造

リバウンドキャッチフェンス

HEF工法(ハイパワーアースフェンス)

急傾斜地の『土砂崩壊対策』を目的とした対策工

HEF工法の主要部材は、崩壊土砂の衝撃力を受け持つために、ハイパワーフェンスエ法の中でも最高レベルの剛性を有する支柱、堆積土砂用ワイヤロープ間隔保持材のツリーロープ、その他ワイヤロープ、金網等から構成されています。さらに、ワイヤロープ端部に緩衝金具を取り付けることで、750kJレベルの落石エネルギーに対応出来ます。また、積雪にも対応可能であり、設計条件に合った支柱の選定が出来ます。

ハイパワーアースフェンス 写真

ハイパワーアースフェンス 写真

NETIS番号 HR-010009-VE
擁壁上設置
斜面上設置
落石対応 750kJ程度
積雪対応
崩壊土砂対応
主要用途 崩壊土砂防止

構造

ハイパワーアースフェンス

設計

『土砂災害防止法』に準拠した崩壊土砂の衝撃力、堆積土圧、捕捉土砂量に対応し、さらに落石対策や積雪荷重への併用対応も可能です。

ハイパワーアースフェンス説明図

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